2023年10月7日土曜日

グランド・セフト・オートⅤ

 
・ギネスになったゲームソフト

ロックスターはどんだけ予算をかけても取り戻せる自信をⅣで得たと思う。
枠だけ引き継いで中は圧倒的に進化。基本の街があって、運転できて、銃を撃てる、から全ての点でブラッシュアップされて、圧倒的に進化している。

全てのオブジェクトが細部まで”デザイン”されている。ゲームとしては必要ない部分まで、意味を持って創りこまれ、近くで見て唸る完成度のまま、広角にひいて破綻のない世界が存在する。

狂気を感じる創り込みがもたらす説得力と、画面から伝わる空気感。
高台に上って街の夜景を見たとき、おそらく誰もが何かを感じると思う。

・Ⅳからの改善点

前作で最大のストレスとなっていた人物操作のもっさり感は改善。カバー動作から、細かな仕草までかなり自然になっている。操作性が良く動かしていてストレスがたまらないのはでかい。死んだ理由が自分の操作のミスと納得できる。

車運転時の視点がⅣでは見通しが悪く、場所によって右スティックでカメラ位置を変えながら運転していたが、Ⅴではデフォルトでカメラ位置を選べるようになったり、評判の悪かった銃のオートエイム機能も改善した上、設定で好みの選択ができる。

武器選択がホイールで直感的に切替。シチュエーションに応じて武器を素早く切替できるようになった。さらに武器選択中は進行が止まって攻撃されにくい、やり直しプレイの改善、その他前作で気になった部分すべてに手が入り改善されている。

新たな要素で目立つのが特殊スキル。両スティックを押し込む事で、射撃時のスロー、運転時のスロー、ダメージアップと、それぞれのキャラクターで違った能力を発揮する。危ない時のパワーアップ。上手く使えば有利に進め、爽快感アップで楽しめる。

・3名の登場人物

今作は、主人公が3名となっており、途中キャラクターを入れ替えながらエピソードが進む。
ただ、操作キャラクターの切替を自分でやる点は個人的に不要と感じた。切替はストーリー進行都合で勝手にしてほしいかな。制作者の見せたい流れで楽しみたい。

主人公の一人トレバーが初めて登場するシーン、禿げ頭でボロボロのシャツと短パンの中年オヤジが、ゴミだらけのキャンピングカーの中で、知り合いの彼女であるジャンキー女をバックから犯している。
過去例を見ないギネス級の予算。失敗すれば会社が吹き飛ぶ社運をかけたビッグプロジェクトで、そこにOK出るのか?それだけで100点満点。

・気になった点

犯罪ミッションをこなす際、関わる仲間を選び、計画を選択する、という要素があるのだが、基本的に能力・報酬が違う仲間を選択し、提示された2パターンから選ぶのみ。さほど魅力あるポイントには感じなかった。計画の違いでミッション内容が様変わりするので、別ミッションにして、数のボリュームを増やしてほしかった。

Ⅳでは人生を狂わされた相手に対する復讐、リバティーシティでもそれぞれ主人公の軸となるシナリオが展開していたが、Ⅴに関してはストーリーの柱が見当たらず、最後は一ミッションを始めたつもりで唐突にエンディングに至った。ミッションは、言われた準備をして、それなりのアクションをこなせばクリア。お互いが罵り合うセリフを聞かされ、最後は捨て台詞で去ってゆく。また次のミッションでは絡んでのパターンが繰り返される。

全体的なストーリーの薄さは、3名を主人公にした弊害と言わざるを得ない。

そもそも、マイケルとトレバーの昔の因縁は分かるが、フランクリンが浮いている。若くして豪邸に住み成功者といえる人生。他の2名とは人生の深みが違い交わり切ってなかった。もしかしたらミスキャストではなかったか。

ただし、ゲームは達成感と爽快感があればシナリオにそれほどこだわらない自分には関係なかった。

・ロックスターがこれまで販売したソフトの集大成

メインストーリーよりも、オマケの部分がメイン。
株や不動産、収集、レース他、コンテンツどっさり。いろんな楽しみ方が用意され、全てを楽しむとなると何百時間でも遊べる膨大なボリューム。
前作Ⅳのレビューで、PS3の中で最もコストパフォーマンスの高いソフトと評したが圧倒的に上回った。

もう一度の繰り返しになるが、世紀に記録されるド級ソフトが、自販機で飲み物を買う金額で手に入る。PS4ではさらに良くなっているようだが十分楽しめる。

いくらでも暇をつぶせて、その気になればいつまでも遊べる。PS3というハードを総合的に代表するソフトの一つ。

入手価格297円

レビューページ

2023年10月4日水曜日

グランド・セフト・オート エピソード・フロム・リバティーシティ

 
・GTAⅣの大型ダウンロードコンテンツ

ダウンロードコンテンツ2つを、ディスク版にして販売したもの。当時はWifiなどネット環境が整っておらず、このような販売方法をとったのだろう。Ⅳのソフトは必要ではなく単体でプレイが可能。

Ⅳにあったいろんなエピソードを、同じ時間軸で他の登場人物目線で再度プレイできる。あの時裏ではこんなことが行われていたのか、と伏線回収が仕込まれているので、まずⅣからプレイしないと楽しさが半減する。

ダウンロードコンテンツという事で、操作性等はⅣ本体からの改善はない。ただ、ラジオにメジャーな曲が追加されていたり、新たな武器の追加、失敗時のやり直し負担軽減等、Ⅳから改善されている部分も多々みられた。

あわせても単体ソフトとしてはボリュームは少なめ。Ⅳでも述べたが、こちらは飛ばしてⅤプレイがお勧め。

・ザ・ロスト・アンド・ダムド

主人公はバイカー。日本でいう暴走族グループ同士の対立や抗争を描いた感じだが、がっつりカチコミかけて根こそぎ撃ち殺す。

Ⅳでは基本的に単独行動であったが、今作では仲間と共に、を推したつくり。バイクでの走行中も仲間にあわせた編隊走行、降りて襲撃も仲間を共にの要素が、前作にはない目新しさでそれなりに楽しい。しかも、リーダーが別にいて基本的にリーダーの後を追ってのエピソードがあるのが斬新。やはりゲームとなると自分が主人公かな、と思ってしまうので。

と最初は思っていたが、途中からリーダーがいなくなって自分がリーダー。結果的に一人でのエピソードも多く、仲間の要素が薄れていった。もしかして前リーダーとの確執や敵対で盛り上がっていくかと思いきやそれもなし。

仲間を連れてステージを戦う事で、自分以外のキャラクターがレベルアップしたり、死んでいなくなったりは面白い要素だと思ったが、メインストーリーだけではさほど実感する間もなくクリアで中途半端。

やっている事は人の迷惑顧みず、自分が良ければそれでよし。感情移入という点ではⅣより難しい面はあったが、やりたい放題ゲームとして割り切れば遊べる。

ツーリングしていて団体で走行するバイク集団の気持ちが少し分かった。

・ザ・バラッド・オブ・ゲイ・トニー

クラブオーナーの片腕として、移民・スラム出身のハンデを背負ったチンピラ主人公が、力と機転でのしあがっていくストーリー。ドラッグやSEX表現はⅣを上回るどぎつさ。お子様にはプレイさせられない内容。

最初に操作説明などがでるので、ゲイ・トニーを先にプレイする方が良さそう。といっても既にⅣをプレイしていれば気にする必要はなし。

ダムドとゲイ・ト二ーでは、こちらの方が簡単に感じたが、途中に出てくるヘリを乗りこなすシナリオはきつい。ほんとにヘリの操縦だけはクソ。

とにかく自分以外の登場人物、全員頭のネジが飛んでいて、言動から行動まで無茶苦茶。そこを当たり前に感じさせる演出が凄い。

地下鉄を盗むとか、ヘリで輸送中の戦車を打ち落として手に入れるとか、ぶっとんだエピソード具合で言うと、Ⅳ・ダムドを圧倒している。

入手価格297円

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